- てとら
道徳の教科化が始まります

これまでも道徳の授業はありましたが、これまでは教科外活動として扱われていたので、算数や国語のように、テストをしたり、成績表で評価されたりすることはありませんでした。
しかし、道徳の重要性が見直され、今後の小学校、中学校教育では、算数や国語と同じように、教科として扱い、生徒の理解力や活用力についても評価することになりました。そして、2018年度からは小学校で、2019年度からは中学校で、道徳が正式に教科として取り入れられることになりました。
道徳の教科化の背景の一つには、社会の移り変わりの速さがあります。
「正しい答え」が変わる時代
一年前には考えられなかったことが、一年後には当たり前になっていることも少なくありません。逆に、今の当たり前が一年後には当たり前ではなくなることもあります。
人類の歴史の中で、これほどまでに目まぐるしく社会情勢が変化する時代はありませんでした。それほどまでに現代社会の移り変わりのスピードは速いのです。
当たり前は、世間の”正しい答え”として扱われるものです。
テストで、”正しい答え” が変わってしまうと考えてみるとどうでしょうか?
困ってしまいます。
しかし、現代の社会では、この”正しい答え”が変わってしまうことがたくさんあります。
携帯電話が普及し始めたころ、『携帯電話の電波が医療機器に影響を及ぼすので、病院内で携帯電話を使ってはいけない。』という”正しい答え”がありました。
しかし、今では、医療機器の発展によって、医療機器は携帯電話の電波の影響を受けなくなったので、多くの病院で病院内での携帯電話の使用を認めています。
もちろん、マナーの点からみて、携帯電話の使用を制限したり、使用可能なエリアを制限している病院は多くありますが、『携帯電話の電波が医療機器に影響を及ぼすので、病院内で携帯電話を使ってはいけない。』という”正しい答え”は、今では”正しくない答え”です。
これからを生きる私たちに必要なもの
ITや技術の発達が目覚しい現代では、今後、病院での携帯電話の使用のようなことがたくさん起こることが予想されます。そうすると、これまでの”正しい答え”が”正しくない答え”になるかもしれませんし、逆もあるかもしれません。
これから新しく生まれる課題に対しては、”答え”すらありません。
答えがない問いの答えが正しいかどうかを誰が決めるのでしょうか?
正しい答えがないのに、「それが正しい答えです」とは誰も言えません。
ではどうすればいいのでしょうか?
それは、”答え”は一つではなく、たくさんある可能性があると知ることです。
どれが”答え”か分からない。というのは、言い換えると、どれも”答え”である可能性があるということです。もしかすると、全てが”答え”かもしれません。
これからを生きる私たちにとって、答えが一つとは限らないことを知ることは、私たち自身の可能性を拡げ、社会を発展させることに繋がります。
道徳の授業では、社会のルールや多様性を学びながら、以下の項目の実現を目指します。
道徳そのものの価値を理解する
自己を理解する
他者を理解する
多角的に考える
考えを深める
これらを積極的に学ぶことで、これからの時代を生きる力を養うことが、道徳の教科化の目的です。
当教室では、道徳への理解を深めるためのグループワークを積極的に取り入れています。
ご興味のある方は、ぜひお問合せください。